初めて訪れても、以前から知っていたようにすっと馴染める場所がある。ケルンは私にとってそういう街で、だから、いくらでも街の写真を撮る機会があったし、いつもカメラを持って歩いていたのに、日常的過ぎてほとんど街の写真を撮らずじまいで、それを後になってから悔やんだ。
この1枚はその後悔に後押しされ、ヨーロッパ旅行の中に1泊確保して滞在した時のもの。ケルンの街のほとんどの機能は川の大聖堂側にあるから、こちら側へ来ることは滅多にない。超絵葉書的な写真を撮っている自分に嫌悪感に似た感情を抱きながらも、大聖堂が真ん中に小さく並んで入るここから撮った理由がある。街のどこからでも見える2つの塔の見える角度によって自分がどこにいるか分かるおかげで、「ど」の付く方向音痴の私が最初から迷わずこの街を歩けたため、この小さく写っている塔を眺めると方向を見失わない気がするからだ。
2013-09-15 21:27 / Köln (Cologne), Germany (ドイツ・ケルン ) / Ricoh GR / 18.3mm / F5 / 8s